vol.2

和洋折衷のバランスが楽しい ニュー甘味処

うめぞの CAFE & GALLERY
2020.02.27

日常のおやつとご飯のオトモがこんにちは

172年目を迎える小倉屋山本。伝統を守りながらも、新しいものづくりに挑戦しています。この企画では、昆布や佃煮などの商品を使った限定特別メニューを、幅広い視点を持った飲食店と開発していきます。

2回目のコラボ先は、京都の老舗「甘党茶屋 京 梅園」が運営する、「うめぞの CAFE & GALLERY」。日常のお菓子を提供する甘党茶屋を、よりカジュアルに提案しているお店です。人気の抹茶ホットケーキやフレンチトーストなどの洋スイーツだけでなく、梅園の代表菓子みたらし団子などの和菓子がいただけるのも、甘党茶屋ならではです。

今回のテーマは、パフェ。3つの昆布の商品を一つのメニューに使用するという荒技。うめぞの CAFE & GALLERYさんの手にかかると、昆布とパフェはどうアレンジされるのでしょうか?

旨味を巧みに重ねたクロ・パフェ

背の高いパフェの先に飾られたカカオのチュイルをかじると、ピリッと唐辛子。メレンゲからはふわっと柔らかな磯の香り。9種類の層にわかれたバニラアイスやわらび餅、生クリームを崩しなら食べ進めていくと、甘みと昆布の旨みが順々に訪れる。中盤に現れるサクサクした食感のシュトロイゼルは、コーンフレークがわり。ビターカカオに唐辛子の辛みが、これまたたまらない。

こだわりは、横に添えられた昆布醤油のカラメルソース。途中でお好みでかけると、天然真昆布の佃煮の旨みと塩みが加わって飽きさせない。季節感のあるさくら餡の生クリームで遊び心も忘れずに。甘さ控えめの粒あんや白玉も手伝って、スプーンですくう度に新しい味に出会える「クロ・パフェ」の完成だ。

3つの昆布の特徴をそれぞれ活かして

西川葵さん(代表):

「味の変化を楽しんでいただくには、層に分かれたパフェが最適でした。味のヒントは、全部昆布から。試食した時に、この味は液体にした方が伝わるなとか、サクサクさせてみたいなとか、インスピレーションが湧いたものを形にしていきました。

『唐辛子入り お茶漬け昆布』はパンチの効いた辛味を活かすため、相乗効果としてビターカカオを使用。チュイルとシュトロイゼルに組み合わせました。甘みにインパクトとしてスパイスを扱う手法は、近年世界のパティシエからも注目されています。『夕霧』は磯の風味を活かすために、メレンゲにしました。サクッと噛んだ時にふわっと口の中に広がってくれて、今回の個人的なヒットです。『減塩つくだに昆布』は、食べた瞬間に、主力商品のみたらし団子のたれに合わせたい!と真っ先に思いました。

昆布の佃煮には、塩味があります。この塩味ってお菓子をつくる時に、いい仕事をしてくれるんです。ぜんざいを作る時にちょっと塩を加えたりするのとおなじですね。旨味も加わり、パフェにいい深みを出してくれました。」

和菓子職人にスポットライトをあてたい

西川葵さん(代表):

「私たち甘党茶屋は、日本の食材が必要不可欠です。ジャンルが違えど、小倉屋山本さんと同じだと思います。お米や小豆、砂糖と水だけでシンプルに作れるのが和菓子の魅力。ご自宅で鍋一つあればつくれるものばかりです。あまり遠いものだと感じずに、身近に感じて食べて作ってもらえたらと思いますね。

私は、和菓子職人も創造性のある仕事だと思っています。和菓子屋は、洋菓子屋よりも、つくり手にスポットライトが当たりにくいと感じています。もっと和菓子職人にどんどん表舞台に出て欲しい。憧れられるかっこいい仕事になって欲しい。そうすれば、若手の職人が育って、和菓子自体にも独創性が生まれて、お客さんも喜んで、業界が盛り上がっていくというような、良い循環が生まれるのではないかと思っています。」

老若男女、お好みのおやつに囲まれて

「うめぞの CAFE & GALLERY」は、一言でいうと、和洋折衷のメニューが楽しめるカフェのような茶屋。京都の老舗「甘党茶屋 京 梅園」が6つ展開するお店のひとつで、和菓子をもっとカジュアルに、垣根なく楽しんでもらいたいという代表の西川葵さんの想いから、2010年にオープンした。2階はギャラリーとして使われており、作家の器などが定期的に展示されている。新しいお菓子も季節に合わせて提案されているので、いつ訪れても楽しめる。お箸でいただく抹茶のホットケーキは、ぜひご賞味あれ

INFORMATION

うめぞの CAFE & GALLERY  
住所:〒604-8215 京都府京都市中京区不動町180
電話番号:075-241-0577
営業時間:11:30〜18:30
定休日:不定休
URL:https://umezono-kyoto.com/cafe/

甘党茶屋梅園 三条寺町店
住所:〒604-8081 京都府京都市中京区天性寺前町526
電話番号:075-211-1235
営業時間:10:30〜19:30
定休日:なし
URL:https://umezono-kyoto.com/sanjo/


※提供期間については、お店にお問い合わせください



今回使用した小倉屋山本の商品

『夕霧』

柔らかい口当たりの細切りの昆布が、様々なレシピに活用できる一品。極細切りの昆布を醤油と甘みを加える。甘みをサポートするように、ちりめんとごまを加え食感をプラス。最後に生姜の風味をピリッと効せるセンスの良さが光る。

『減塩つくだに昆布』

健康志向の方におすすめの減塩タイプ。塩分をカットした本醸造醤油を使用しつつ、昆布の旨味をぎゅっと閉じ込めている。食欲をそそること間違いなし。

『唐辛子入り お茶漬け昆布』

特徴はその柔らかさと辛み。昆布を調味料(醤油、さとう、水飴)と合わせて煮炊きし、加熱の最後に唐辛子を加え、風味の鮮度を保っている。噛んだ瞬間にぷちぷちとした食感は、ごまと紫蘇の実で演出。辛さの中に、昆布の旨みを感じられるバランスのよさが癖になる。